保育士の給与水準は大幅に上昇その2(改善後)
ついに実現された保育士の処遇改善
1、国による保育士への賃金改善に向けた補助金
保育士不足に伴い、保育士がどうすれば増加するのか・・・
その結果、公立保育士(公務員)と一般企業との賃金格差を埋めるために『個人へ支給されるよう補助金』を支給することになりました。
正確には『施設に対しての一括支給』ですが、この補助金は賃金改善のみに適用することが義務付けられ、報告書への提出も義務付けられているので、働く現場の保育士に一定の金額が支給される仕組みが制度化されました。
これが・・・保育士の処遇改善手当と呼ばれるものです。
これはその後、ⅠとⅡにわかれ、より明確に制度化されているのですが、、、これを機に年収ベースで地域や役職によって15万円~65万円程度の年収改善が実現されました。
(この部分の説明は正直、文章では大変ですが、後述の”松戸手当”のような形の方がわかりやすいのですが・・・。)
2、その他の補助金制度
保育士の処遇改善手当は大変大きな変革をもたらしましたが、、、それ以外にも様々な補助制度が確立しました。
◆地域における給与改善に向けた補助金支給
・東京都キャリアアップ補助金
・松戸手当
◆借り上げ社宅制度(月額82,000円程度の家賃補助)
→ということは、実質約900,000円の賃金改善。
◆奨学金返済補助制度(毎年100,000円程度の奨学金を区が支給)
その他にも細かい制度があったりするのですが、、、これらの制度をうまく活用すれば年間で150~180万以上の賃金改善も実際に可能であり、保育士の給料は大幅に増額されたことになります。
(それぞれ条件があるので必ずしも全て適用ではない)
3、保育所増加による役職就任機会の増大。
これで一生の仕事としてのモチベーションと賃金面の大幅増が実現。
4、保育施設に対する保育補助者の採用補助金
環境面のサポートや日々の保育補助をするための職員採用を進めることで、保育士たちの仕事を軽減させ、残業などをさせないようなマンパワーを揃えることが実現。
しかし、、、この1と2について、原案となる発想を保育士不足が懸念される以前。。。
つまり制度化される数年前からこの状況を予期して提言していた保育士がいたのだから驚きです。
◆都市部では保育士が足りないが、日本全体で考えれば保育士はまだ余っている。
→地方から都市部に補助金を活用して上京させる制度を作ればいい。
◆保育士の生涯賃金を上げるのであれば、施設ごとではなく、国が勤続年数に応じて個人に支給すればよい。
→今でいう松戸手当がまさにこの発想にどんぴしゃり!
この業界、、、知れば知るほど、とても奥が深いものです。